派遣社員が工場で働く際に役立つ資格を紹介
派遣求人を条件を絞らずに探すと、工場派遣の募集をよく見かけることでしょう。製造業は今なお日本の主要産業であるため、おのずと派遣求人も多いのです。そこで今回は、工場勤務で役立つ資格に焦点を当てて解説していきます。本記事を参考に、工場派遣でのキャリアアップや給与アップを目指してみてください。
工場勤務で資格を取るべき理由
工場勤務において資格を取得することは、さまざまな面で有益です。
スキルアップにつながる
まず、資格取得はスキルアップにつながります。
知識や技能を学ぶ過程で、工場での作業に役立つスキルを習得でき、業務の幅が広がるため、キャリアアップのチャンスが増えます。たとえば、危険物の取扱いやフォークリフトの運転など、資格がないとできない作業が可能になり、選択肢が広がります。
信頼を得やすくなる
次に、資格は周囲からの信頼や評価を得やすくなります。
派遣元企業や派遣先企業から仕事に対する姿勢や意欲が認められる可能性もあります。これにより、働く環境やモチベーションの向上にもつながるでしょう。
昇給・昇進の機会を増やす
また、資格は昇給や昇進の機会を増やす効果もあります。
企業によっては資格手当が支給されることがあり、派遣社員やパートでも資格保有者の賃金が高くなる傾向があります。さらに、管理職に昇進するために資格取得が求められるケースも多いです。
転職活動に有利
最後に、資格は転職活動にも有利です。
特定の資格をもっていれば、ほかの企業でも評価されやすく、より良い待遇の仕事を見つける助けになります。資格取得は派遣での業務だけでなく、将来のキャリア形成にも大きな武器となるのです。
工場勤務で役立つ国家資格
工場勤務に役立つ国家資格として、とくに有用な3つの資格があります。
危険物取扱者
危険物取扱者は、消防法で定められた火災の危険が高い物質を安全に取り扱うための国家資格です。
危険物には6つの分類があり、資格も甲種・乙種・丙種に分かれています。甲種はすべての危険物を扱える最上位資格で、難易度も高くなります。乙種は取り扱いが可能な危険物が第1類から第6類に分かれており、試験に合格した種類のみ扱えます。
丙種は第4類の一部しか扱えません。とくに人気のある資格は乙種第4類です。ガソリンや軽油、灯油などの引火性液体を含む危険物の大部分を取り扱えるため、実用性が高いです。工場勤務においても、乙種第4類を取得しておけば多くの業務に対応可能となります。
電気工事士
電気工事士は、住宅や工場の電気設備の工事を行う国家資格です。
電気工事は安全性が重要で、資格保有者だけが行うことが許されています。電気工事士には、取り扱い範囲によって第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があります。第二種の資格では、一般住宅や小規模の店舗での電気工事が可能です。
第一種はさらに高度な資格で、ビルや工場の電気設備工事も担当できますが、試験の難易度も高いです。最初は第二種から取得を目指すのが現実的でしょう。電気工事士の資格は、工場での電気設備の保守や修理にも役立ちます。
電気主任技術者
電気工事士のさらに上位の資格として、電気主任技術者があります。
これは電気の管理と保守に関する専門的な国家資格で、第一種、第二種、第三種に分類されています。この資格は電気工事士よりも高度で、電気設備全般に関わる深い知識が求められるため、試験の難易度も非常に高いです。
しかし、取得すれば電気のスペシャリストとして活躍の場が広がり、工場の電気関連業務でとくに重宝されます。
現場仕事で使える資格
最後に、工場の現場で役立つ4つの資格を紹介します。
フォークリフト運転技能者
フォークリフトは工場や倉庫で荷物の運搬に用いられる車両で、運転には免許が必要です。
資格はフォークリフト運転技能講習と特別教育に分かれ、前者は1トン以上のフォークリフトを運転でき、修了試験が必要です。後者は1トン未満のフォークリフトを扱えますが、修了試験はなく取得が容易です。
フォークリフトの需要は高く、運転技能講習を受けておくと役立ちます。なお、公道を走行するには別途特殊自動車免許が必要です。
玉掛技能者
玉掛けはクレーンで荷物を吊り上げる作業で、資格には玉掛け技能講習と特別教育の2種類があります。
技能講習は1トン以上の荷重を扱う大型クレーンの作業に必要で、学科と実技の修了試験をクリアする必要があります。1トン未満の荷物を扱う際には資格は必須ではありませんが、安全のために特別教育を受けることが推奨されています。
玉掛け作業は多くの現場で必要とされ、とくにクレーン運転士の資格と併せてもっていると重宝されるでしょう。
クレーン運転士
クレーンを運転するための資格です。
大型クレーンを操作するためにはクレーン・デリック運転士免許や移動式クレーン運転士免許が必要です。吊り上げ荷重が5トン未満の小型クレーンであれば、技能講習や特別教育で運転資格を得られます。
とくに、移動式クレーンや小型のクレーンは工場でよく使われるため、これらの免許をもっていると作業の幅が広がるでしょう。
溶接技能者
溶接技能者は、工場で金属加工や組み立てに必要な技術者で、アーク溶接、ガス溶接、銀ろう付けといった溶接方法に応じた資格があります。
アーク溶接は金属同士を接合するための最も一般的な溶接技術であり、広く利用されています。ガス溶接はガスを使った基本的な溶接技術で、習得することでほかの溶接作業にも応用が可能です。
銀ろう付けは、母材を溶かさずに接合できる技術で、電気機器の部品など細かな作業に適しています。これらの溶接資格を取得しておくと、工場内での多様な溶接作業に対応でき、キャリアアップにもつながりやすくなります。
まとめ
工場で働く派遣社員にとって資格取得はキャリアアップや給与アップに大きく役立ちます。フォークリフト運転技能者や玉掛技能者、クレーン運転士、溶接技能者など、工場の現場で求められる資格を取得することで、スキルや信頼を高め、昇進や転職のチャンスが広がります。また、危険物取扱者や電気工事士などの国家資格は、工場勤務における業務の幅を広げ、長期的なキャリア形成にも有利です。資格取得は自らの価値を高める一歩です。