男性の派遣社員は結婚しにくい?結婚しやすくするにはどうすればいい?
現在働き方が多様化しており、男女問わず派遣社員として働く人も多くいます。しかし「男性の派遣社員は結婚できない」という風潮も強く残ってしまっているのが現状です。そこで今回は、男性派遣社員の結婚に関する実情と、結婚しやすくなるためにできることを解説します。本記事が、将来に不安や疑問を抱いている人の参考になれば幸いです。
男性の派遣社員は結婚しにくい?
派遣社員の男性が結婚する可能性は、正社員に比べて低いのが現実です。
2010年7月の厚生労働省による調査によれば、20〜64歳の男性の未婚率において、正規雇用と非正規雇用(派遣社員を含む)では大きな差があります。20代の男性では正規雇用の未婚率は67.5%であるのに対し、非正規雇用では94.0%と約1.39倍高いことが分かりました。
30代になるとこの差はさらに顕著になり、正規雇用が30.7%なのに対し、非正規雇用は75.6%で約2.46倍の差があります。40代では正規雇用の未婚率が15.1%であるのに対し、非正規雇用は45.7%で約3.02倍の差が開きます。
このデータから、20代の非正規雇用男性は10人中1人が結婚でき、30代では10人中3人、40代では10人中5人が結婚できると推測可能です。50代になると未婚率は大幅に減少し、正規雇用の未婚率は5.6%、非正規雇用の未婚率は9.7%と、差が縮まっています。
この年代ではほとんどの人が結婚できることが示されています。
男性側の年収別の結婚状況
年収別に見た結婚率は、男性の結婚に大きな影響を与えます。
正規雇用と非正規雇用では結婚率に違いがあることが分かっていますが、年収という観点からも結婚の可能性を考察することができます。内閣府結婚応援フォーラムの資料によれば、20~30歳代の男性の年収別既婚率は次の通りです。
・年収300万円未満の場合:20歳代の既婚率は8.7%・30歳代は9.3%
・年収300~400万円の場合:20歳代は25.7%・30歳代は26.5%
・年収400~500万円の場合:20歳代は36.5%・30歳代は29.4%
・年収500~600万円の場合:20歳代は39.2%・30歳代は35.3%
このデータから、年収300万円未満の男性の結婚率が10%未満であるのに対し、年収300万円を超えると結婚率が約3倍に増加していることがわかります。また、年収が高くなるほど結婚する割合も高くなる傾向があります。
年収300万円以上の男性では、20~30歳代の男性の約3分の1から4分の1が結婚していることがわかるでしょう。
派遣社員が結婚しやすくなるためにできること
派遣社員が結婚するためには、年収の向上が重要な要素です。
年収300万円以上が結婚の条件になることが多いため、以下の4つの戦略が有効です。
時給1300円以上の仕事を狙う
年収300万円以上を稼ぐためには、時給が1488円以上である必要があります。
この計算は残業なしの場合の試算ですが、実際には残業を含めることで、必要な時給は下がります。例えば、月に20時間の残業があれば、必要な時給は1300円ほどで済むでしょう。
また、年収400万円を目指す場合は時給1984円が必要ですが、残業を含めることで時給1750円程度でも可能です。したがって、派遣社員として結婚を目指す場合は最低でも時給1300円以上の仕事を探し、できれば1750円以上の高時給の仕事を目指すことが重要です。
年収が高い職種を狙う
派遣社員でも年収が高い職種に就くことで、結婚の可能性が高まります。
厚生労働省の報告書によると、以下の職種は時給が高い傾向があります。
・建築・土木・測量技術者
・情報処理・通信技術者
・その他の技術者
・法務従事者
・電気工事従事者
これらの職種は、高時給であることが多く、年収を押し上げる可能性があります。未経験でこれらの職種に転職するのは、難しいかもしれません。
しかし、派遣会社に相談すると「未経験でもOK」な求人や、資格を取得すれば紹介可能な職種もあります。資格取得を通じてスキルを高めることも、戦略の一つです。
副業をする
派遣社員は副業が許可されていることが多く、副業によって年収を増やすことができます。
例えば、月に5万円の副業収入があれば、年収が60万円増えます。本業で同じ額の給与を増やすには通常3~5年かかるのに対し、副業であれば数か月で達成できる可能性があります。
クラウドソーシングやウーバーイーツなどの副業は比較的始めやすく、月5万円の収入は比較的容易に達成できます。副業を通じてさまざまなスキルを身につけることも安定性を高める要因となり、女性から見ても魅力的なポイントとなります。
正社員を狙う
派遣社員であっても年収をクリアすれば結婚の可能性はありますが、正社員の安定性には敵わない場合が多いです。
結婚に際しては、相手の両親が正社員であることを重視する場合が多いです。正社員としての安定性は、結婚の成功率を高める要素となります。
正社員を目指すための戦略としては、現在の派遣先で正社員登用のチャンスを活用することや、派遣会社を通じて「紹介予定派遣」を利用する方法があるでしょう。また、派遣先に正社員登用制度があるか確認し、望みが薄い場合は早めに他の派遣先を探すことも選択肢となります。
まとめ
男性派遣社員が結婚するためには、年収の向上が鍵です。現状、派遣社員は正社員よりも結婚しにくい傾向がありますが、年収300万円以上を目指すことで可能性が高まります。具体的には、時給1300円以上の仕事を狙う、年収が高い職種を選ぶ、副業を活用する、そして正社員への転職を目指すことが有効です。これらの戦略を駆使することで、結婚に向けた条件を整え、より安定した未来を築くことができるでしょう。