郡山市の求職状況は?
郡山市は、福島県内で「経済県都」として、多くの産業が栄えています。
東北新幹線、東北自動車道と磐越自動車道が交差する郡山ジャンクション、福島空港など、地理的条件のよさから陸路、空路ともに交通網がそろい、人・モノ・情報が行き交う交流の拠点としての役割を果たしています。そのため、工業・農業・商業がバランスよく発展しているまちといえるでしょう。
この記事では、郡山市における求職状況と求人の特徴を詳しく解説します。
郡山市とは
郡山市は、県庁所在地である福島市から南西に位置し、首都圏へのアクセスがよい立地にあるのが特徴です。新幹線や在来線の交通アクセスが良好で、東京や仙台へのアクセスも便利です。これにより、通勤や通学がしやすく、地域内外への移動もスムーズにできるでしょう。
郡山市の仕事
郡山市は人口が多く、福島県を代表する商工業都市であり、さまざまな産業が盛んです。製造業、サービス業、医療・福祉業、小売業など、多岐にわたる産業が存在し、求職者にとって多様な選択肢が用意されています。
郡山市の有効求人倍率
令和5年8月、ハローワーク郡山の有効求人倍率は1.68倍でした。これは前年度同月より0.1ポイント減少し、6か月ぶりに前年同月を下回りました。
有効求人倍率は有効求職者数に対する有効求人数の割合で、雇用動向を示す重要指標のひとつです。高い倍率ほど求職者が求人に対して有利な状況であり「売手市場」といえるでしょう。
具体的には、1.0倍を基準にして、それ以上の数値であれば求人が多いことを示し、それ以下の数値であれば求職者が多いことを示します。たとえば、有効求人倍率が1.68倍の場合、1人の求職者に対して1.68件の求人があることを意味し、求職者には多くの仕事の選択肢がある状況です。
また、求職者における一般の就職件数は338件で、前年度同月と変わらずの数値です。新規求職申込件数が1,264件なので、全体の約3割が就職できているといえるでしょう。
求職者状況
令和5年8月の新規求職申込件数は1,264件で、前年同月比ではわずかに0.4%減少しましたが、前月に比べては22人増加しています。
このなかで、求職者の分野別の傾向を見てみると、事務関連の職種が最も多く、1,537人の求職者が存在します。次いで、専門技術に関連する職種が760人、製造業が633人、配送・清掃などが594人、サービス業が540人、販売が401人、介護が197人、運転が180人、建設などが152人、保安が55人、農林漁業が38人、管理が10人です。
事務職は、仕事とプライベートの両立が図りやすく、肉体的な負担も少ないことから全国的に人気が高い職種です。事務職として採用されたい場合は、スキルや知識を積極的に磨き、会社が求める人材となるよう、努める必要があるでしょう。
求人状況
郡山市の平均月給は正社員が約24.6万円です。アルバイト・パートは約894円、派遣社員は1,244円が平均時給です。
福島県では令和5年10月1日より、最低賃金の引き上げが実施されました。令和4年度の福島県最低賃金は858円でしたが、現行の額から42円引き上げて、1時間あたりの額が900円に改正されました。最低賃金は福島県内のあらゆる事業場で働く労働者に適用され、常用労働者からパートやアルバイトなどさまざまな雇用形態の労働者を対象としています。
最低賃金引き上げは、経済的な格差を軽減し、生活水準向上を図る一環として重要といえるでしょう。
主要産業別求人状況
ここでは、郡山市が公表している管理・専門技術・ジム・販売・サービス・保安・農林漁業・製造・運転・建設など・配送清掃など・介護別に求人状況を紹介します。
管理業の有効求人倍率は10.00です。求人数100人に対して求職者数10人がいます。非常に高い倍率であり、マンションやビル管理や、倉庫管理などに興味がある方は、就職しやすい有利な状況でしょう。
専門技術業の有効求人倍率は2.13です。求人数1,618人に対して求職者数760人がいます。管理職に比べると、求人倍率は下がりますが、エンジニアなど特定の技術を持つ求職者にとっては転職しやすい状況です。
事務業の有効求人倍率は0.50です。求人数773人に対して求職者数1537人がいます。事務職は求職者が多く競争が激しいため、スキルや経験などをアピールしなくては転職は難しいでしょう。
販売業の有効求人倍率は1.54です。求人数618人に対して求職者数401人がいます。求職者にとってはやや有利な状況で、販売経験やコミュニケーション能力をアピールすることで採用を勝ち取れるでしょう。
サービス業の有効求人倍率は5.00です。求人数2,700人に対して求職者数540人が存在します。サービス職は人手不足が懸念されており、求人需要が高いため、希望する会社で働ける可能性が高いケースが多いでしょう。
保安職の有効求人倍率は11.84です。求人数651人に対して求職者数55人がいます。ガスや電気などの保安や警備など、トラブルを未然に察知する仕事なため、責任感がある方に向いている職種でしょう。
農林漁業業の有効求人倍率は1.45です。求人数55人に対して求職者数38人がいます。特定のスキルや経験を活かす機会が多く、スキルアップで転職する人が多いのも現状です。
製造業の有効求人倍率は1.33です。求人数841人に対して求職者数633人がいます。競争は他の職種と比較しては激しいですが、寮完備や食堂完備など、新たに再出発したい方に最適でしょう。
運転業の有効求人倍率は2.12です。求人数382人に対して求職者数180人がいます。少子高齢化の影響から、タクシーやバスなどの移動手段の重要度が年々増加しています。ケアドライバーなどもあり、女性採用が活発な業種でもあるでしょう。
建設業の有効求人倍率は4.18です。求人数636人に対して求職者数152人がいます。建設業界はプロジェクトの進行に合わせて働くため、休みが少なかったり体力面が厳しかったりすることから、離職者が多い傾向にあります。しかし、社会への貢献力が高く、やりがいのある仕事といえるでしょう。
配送・清掃業の有効求人倍率は0.96です。求人数569人に対して求職者数594人がいます。配送・清掃職は競争が激しいです。また、一部の業務では機械化が進んでおり、未経験でも就職しやすいメリットはありますが、特筆したアピールが必要でしょう。
介護業の有効求人倍率は3.90です。求人数769に対して求職者数197人がいます。介護職は高齢化社会の影響があるため需要が高まっており、求職者数が少ない売手市場の業種です。
雇用形態別求人数
郡山市は、多くの求人機会が提供されており、2023年9月のデータによれば、各雇用形態の求人数は以下のようになっています。
正社員の平均求人数は1万2,602件で、年々増加傾向にあり、2023年9月には平均を大きく上回っています。市内での長期的な雇用機会が増加しているといえるでしょう。
アルバイト・パートの平均求人数は4,611件で、2023年9月には平均を上回っています。アルバイトやパートの求人が豊富なため、隙間時間や家庭と仕事を両立したい方など、多くの選択肢があるでしょう。
派遣社員の平均求人数は1,771件で、2023年9月には平均を上回っています。派遣労働者に対する需要が高まっており、企業がフレキシブルな労働力を求めていることを示しています。
郡山市は、さまざまな雇用形態において求人数が増加しています。市内の経済が活発で、多様な職種やスキルに対する需要が高まっており、ご自身の希望に合った雇用形態を見つけ、新たなキャリアをスタートしやすいでしょう。
まとめ
郡山市は、経済活動が活発であり「経済県都」として福島県内をリードしています。産業の多様性から農業、商業、建設業などがバランスよく発展しているのが特徴です。さまざまな業種から求人も多く、求職者にとってライフワークバランスに適した選択肢が多いのが魅力です。労働市場の変動に注意し、需要の高い分野を見極めることも求職活動の成功につながるでしょう。