無期雇用派遣って何?特徴やメリットを紹介
無期雇用派遣とは、派遣会社の社員として派遣先に常駐する働き方の仕組みです。派遣会社に採用された時点で雇用が成立し、期間に定めはありません。通常の派遣社員と正社員の中間的な要素をもっているのが無期雇用派遣の特徴であり、柔軟性と経済的な安心感を兼ね備えた働き方です。本記事では、そんな無期雇用派遣についてくわしく紹介します。
無期雇用派遣とは
無期雇用派遣は、派遣会社と期限のない雇用契約(無期雇用契約)を結ぶ雇用形態で、常用型派遣とも呼ばれます。通常の派遣と同じく派遣先企業での業務を担当しますが、その際に派遣契約が終了しても、派遣会社との雇用が継続され、雇用と収入が安定するメリットがあります。
近年、無期雇用派遣はITエンジニアなどの技術系だけでなく、一般事務や総務事務などの事務職系でも注目を集めています。とくに事務職系は未経験者でも参入しやすく、多くの場合、研修やサポートが整備されているため、長期的なスキルアップやキャリアアップを目指しながら派遣先企業で働くことができます。
この働き方は柔軟性と安定性のバランスが魅力であり、個々のキャリア目標に合わせて選択できる点が特徴的です。無期雇用派遣は、変化の激しい現代社会において、働く個人が自身のスキルを伸ばし、安心して働き続けるための選択肢として重要な存在といえるでしょう。
無期雇用派遣のメリット
無期雇用派遣は、働く人にとって安定感と柔軟性を両立させた魅力的な雇用形態です。具体的なメリットについて解説します。
雇用と収入の安定性
無期雇用派遣の最大のメリットは、期間制限がないため雇用が安定する点です。通常の派遣契約に設けられている3年ルールの対象外であるため、同じ職場で3年以上の就業が可能です。
仮に派遣先での仕事が終了した場合でも、次の仕事が見つかるまで休業手当が支給され、収入が途切れません。また、給料が月給制であり、交通費や諸手当の支給がある点も、労働者にとって心強い要素となります。
経験値の積み重ねとスキル向上
通常の派遣であれば3年までの期間制限があるなか、無期雇用派遣では長期間同じ仕事に従事できます。確実に経験を積めるため、スキルが向上し、キャリアアップにもつながります。長期キャリアの構築は無期雇用派遣の大きなアドバンテージです。
仕事の熟練度が上がり、業務のクオリティが安定していけば、派遣先企業から信頼を得られるでしょう。長期的な就業を見越した業務や、習得に時間を要する専門的な業務など、多岐にわたって仕事に携わる可能性が高まります。経験値の向上とスキルの磨き直しは、将来的なキャリアの展望を広げる手助けになります。
派遣会社からのサポートと柔軟なキャリア構築
無期雇用派遣は時間をかけて就業者を育成できるため、派遣会社にとっても安定した雇用形態です。経験やスキルだけでなく、やる気や積極性などのポテンシャルを重視して採用するケースも増えてきました。
未経験者や異業種からの転職者も受け入れやすいため、キャリアをスタートするハードルが低いといえます。また、派遣会社はキャリア形成に関するサポートを積極的におこなっています。
派遣会社からのアドバイスや研修を受けることで、就業者が自身のスキルやキャリアに意識を向けることが期待されます。さまざまな派遣先企業で経験を積んでいくことができ、柔軟で多彩なキャリア構築が可能です。
有期雇用から無期雇用になれる?
有期雇用から無期雇用への転換は可能です。2013年の労働契約法改正により、雇用期間が通算5年を超えれば、無期雇用への転換が認められました。通算5年を超えた場合、派遣会社に申し込みをおこなうことで有期雇用から無期雇用への転換が可能です。
手続きは、通算5年を超えた際の更新時に、雇用契約書において無期雇用への転換を伝え、双方が同意した上で雇用契約書を取り交わします。このプロセスを経て、労働者は無期雇用のステータスに移行することができます。
法改正により労働者にとっては雇用の安定感が増し、企業側としても実績をもつ有能な従業員の雇用を維持できるメリットが生まれました。3年おきに派遣社員の入れ替えが発生する有期雇用と違って、担当者変更の頻度が抑えられ、引き継ぎの工数も少なくなります。無期雇用契約への転換を検討することで、より長期的な雇用の安定性を確保することができる制度といえます。
まとめ
無期雇用派遣は雇用の安定と柔軟なキャリア構築を提供する働き方です。通算5年を超えた有期雇用から無期雇用への転換も可能で、2013年の法改正により手続きが整備されました。この制度を活用することで、労働者は経験とスキルを積みながら安定した雇用を手にし、企業も実績を持つ有能な人材を確保できます。有期雇用から無期雇用への転換は、双方にとってプラスとなる制度であり、雇用の未来において新たな展望を開く可能性を秘めています。無期雇用制度を理解し積極的に活用することで、働く人と企業がより良い関係を築き、持続可能な雇用環境を構築していくことが期待されます。無期雇用派遣は、雇用の未来を切り拓く新しいステップといえるでしょう。